あらかじめ注文していたアバルト用のLSDが届きました。
梱包を解いてビニール袋の中のLSDを覗いてみました。
まるで宝石のようです。
カーボンではなくメタルのLSDを選びました。
メタルのほうがしっかりグリップしてくれる気がしたからです。
実際にはカーボンもメタルも効きは体感できませんが。
一般的にLSDはサーキットを走る人たちのマニアックなパーツと思われがちです。サーキットを走る人たちの中でも熟練者が手にすることが許される。そんな風潮があります。しかしそれはたいへん間違った考え方だと思います。
ちょうど1年前の鈴鹿サーキットで、ある車高調メーカーのトップエンジニアとの会話。
「LSDはしっかり荷重移動を覚えられてから装備するべきでしょうか?」
「LSDが無ければ始まらないでしょう。車高調とどっちが先かって言ったらLSDが先でしょ。そしてストリートユースの人こそむしろ必要でしょ。」
ストリートにしてもサーキットにしても、エンジンの動力をいかにロスなく路面に伝達させられるか。路面凍結やぬかるんだ悪路でもいかに車を安定させられるか。プロのドライバーならどんな路面環境であっても車をコントロールすることは容易いかもしれなませんね。しかし我々一般ドライバーは突発的な路面の状況の変化に対応は難しいです。
LSDは速く走るための装備ではなく、むしろ安全装備だと考えています。
わずか230cmしかないアバルトのホイールベースではタダでさえコーナリングが安定しない。当然の話としてホイールベースが長ければ長いほど直進安定性は増します。観光バスが良い例でしょう。そしてホイールベースが短ければ短いほどコーナリングに対してピーキーになります。突発的にリアタイヤのグリップが失われて前輪が前にかいてくれなければ、いかにレスポンス良くカウンターを当ててもスピンするかインに巻きながら壁に激突するしかないでしょう。
これで横Gを縦の推進力に変えて、高速でも峠道でもサーキットでも思い通りのコーナリングが楽しめます。
今後、LSDを装着する作業状況やレビューをお伝えしたいと思います。